池田市の鍼灸整骨院
東洋というととても範囲が広いのですが、中医学のことを指しています。
そして、そのベースとなっているのが陰陽五行論という学問でして、
その陰陽五行論の中の医学に絞った箇所だけが中医学の学問体系です。
さて、今日のブラックボードの舌診に関しても、この陰陽五行論に則って体系化されています。
人の体は日々刻々と変化しています。
呼吸するだけで肋骨が動き胸郭が広がり、それに伴い肺が広がります。
心臓には神経が電気信号を送り、心筋を動かします。それに伴い血液が循環します。
口に食べ物が入って咀嚼し胃に流れると、胃の神経がそれをキャッチし、胃酸や酵素を分泌します。それに伴い、食物は消化され、次の小腸に送り出され、次の消化ステージへと続きます。
他にも様々、言い出したら無数にありますが、これらの変化において、一度たりとも全く同じ状況が繰り返されることはありません。
呼吸で肋骨が広がる角度は微妙に毎回違いますし
心臓が送り出す血液をもし一回ごとに計測できたら、その体積も成分も異なりますし
胃酸の分泌量もミリリットルよりももっと細かい単位でみていくと、毎回量は異なります。
人間の体は、1秒たりとも同じ状況を維持することはありません。
思考も同様です。5秒前と全く同じことを考えることは不可能です。刻一刻と変化します。
舌も同じく変化します。
昨日と今日では違います。
例えば陰陽五行論では、肝臓は心臓を助けますが、肝臓は胃を傷めます。
こういう時に、今日の舌は心臓が悪いと出ているので、心臓とその親の肝臓を治療したとすると、例えばですが肝臓にエネルギーが入りすぎてしまい胃を傷め付けてしまうこともあります。
すると翌日に来られて舌を診ると胃が悪いと出てしまいます。
治療においては、このようなパワーバランスを取るのが非常に重要になってきます。
以上、舌を診ることについて書いてきましたが、舌診というのは診断法のごくごく一部であって、問診や姿勢をチェックする視診が最重要なのは言うまでもありません。
この記事へのコメントはありません。